教室長のおしらせ
私が学生の頃、家庭教師をしていた生徒は、合格ラインぎりぎりの生徒でした。当時の学力テストの結果を振り返ると、170点代の生徒でした。平岸高校の進学を志望していた生徒でしたので、学力テストABCの結果を受けての2学期の三者懇談においては、担任の先生による後押しがあるかわからないけど、本人の進学したい気持ちがあれば、3か月でまだまだ当日点は上がるからあきらめないようにしようと伝えました。
学力テストの分析を私自身で確認し、得意な分野と苦手な分野を抽出、3か月間の期間で効率的に上げる方法を考えました。
【英語】
英語で点数が取れていないため、学力テストABCは、すべてパラグラフ(段落ごと)に全訳をさせ、オリジナルの文法問題を取り込みながら、学力テストで問われた問題を載せ、しっかりと復習させました。本文を全訳させることによって、意味が取れない原因を抽出します。和訳させることによって、単語の知識の不足なのか、文法的な知識の不足なのかを確認できます。単語の知識であれば、単語の練習をしてもらえばよいのですが、文法的知識の欠落は、穴埋め問題、英作文にも影響してくるので、英文1文に用いられている文法を掘り下げていきました。
学力テストAの英語を復習するだけでも3~4回の時間がかかりました。大問1問を1回の授業で確認する。和訳、文法的知識を確認していく作業は、丁寧にやらなければ身につかないのと、実践で問題にどう向き合うかということも指導しなければなりません。基本的な作業として、英文1文に「動詞」が何個あるのか、動詞の数ー1は、接続詞が隠れていることになります。その接続詞を見破ることができるのか、また、「動詞」を正確に選び出すことができるのかが基本的な能力となります。特に過去分詞の場合、過去形の動詞なのか、過去分詞の形容詞的用法なのか、前にbe動詞を伴ったり、have(has)がないのかなど、きちんと見抜けているのかということを細かく確認していきました。正確な和訳ができると、本文の内容正誤問題は、簡単に解くことができます。また、段落ごとに正誤問題を照らし合わせていけば、正解を導きやすくなります。穴埋め問題については、前後の文の理解と文法的知識の融合となります。
不定詞、分詞の形容詞的用法、接続詞など、設問の傾向は多岐に渡ります。本文の内容をしっかりと理解できていれば、空欄にどの文法的知識を利用して、埋めるとふさわしいかがわかると思います。
【数学】
数学の問題の対策は、学力ABCと過去問から、毎年問われている問題を踏まえ、「関数」「図形(証明)」は、必ず交互に1日1問解くようにしました。また、入試で正答率の高い、計算問題と方程式問題については、分量は少なめに設定して、毎日の課題を出しました。
関数の苦手な生徒だったため、基本的な式、たとえば、y=ax+bなどの基本的な式をいえるのか。そして、a,bの名称の確認。グラフからどう読み取るかという基本的な知識をあたりまえにできるように反復してから、入試で問われる問題に向き合いました。まず、関数の問題ができていない生徒の大半は、基本的知識があやふやなことが取り上げられます。設問の最初の方は、基本的な問題が問われています。設問の後半になると、難易度の高い問題が出題されますが、関数の問題を解く際に、目的の座標を見つけ出すために、tなどの文字を置いて座標を例えば(t,t+3)のように置かせて、解かせる問題などがあります。
学力テストもしくは、過去問などを解いている生徒は、問題慣れしているため、こうした考え方が身について、問題に取り組むことができるのですが、問題量をこなしていない生徒は、こうした考え方がそもそもできないのです。そのため、「関数」と「図形(証明)」問題を交互に解かせるのは、問題量をこなしながら、こうした考え方を身につかせることを考えるためです。
証明問題(合同、相似)は、頻出の問題です。出題される可能性が高いとわかっていても、練習しないのは、「愚」以外のなにものでもありません。私自身も中学生の時は、図形の証明問題が苦手でした。出題される可能性が高いことがわかると、最初は問題をみては、よく間違えましたが、間違えた問題を何度も解きなおしました。同じように家庭教師で指導していた生徒にも、最初は時間を設けないで、解かせていましたが、1月くらいからは、制限時間を設けて解かせるようにしました。
【理科】
理科の問題の対策は、自分自身の得意な分野と苦手な分野を知ることから始まります。大概の生徒は、「生物」の範囲は得意かなと思います。「知識」量で決まる範囲は、覚えてしまえばできるからです。大半の生徒が苦手な分野は、「化学」「物理」「地学」の範囲でしょうか。化学は、化学式、イオンなどの範囲を苦にしている生徒が多いです。イオンの前提は、化学式をしっかりと覚えなければなりません。物理の範囲は、力、電流が苦手の範囲の生徒が多いでしょうから、この範囲を苦にしている生徒は完全にできるように短期間で練習しましょう。理科の範囲は、苦手分野を決めて集中的に取り組んでもらえれば、得点源にできます。まずは、自分のどこが苦手なのかを学力テストで、分析して取り組んでみると良いでしょう。
【社会】
社会は、地理・歴史・公民に分かれます。公民は、学校の授業に取り組みながら、前の範囲もしっかりと復習しましょう。
地理・歴史は、薄い問題集を繰り返し解きましょう。歴史は、まず、時代を順番にいえますか。私が生徒に教える場合、しっかりと時代の順番をいえるように
取り組みました。時代の並びかえの問題が出題される可能性がありますので、時代の順番を覚えてから、活躍した人物、重要な年号を覚えておきましょう。
地理は、世界地理・日本地理と分けることができます。そのため、世界地理・日本地理の場合、気候・山脈・河川・平野(盆地)などを覚えてから、農業・工業などをしっかりと肉付けしていきましょう。
【国語】
国語の勉強をしていない生徒は、多いのではないのでしょうか。「日本語で書かれているから、なんとかなるだろう。」という考え方が多い分、勉強を軽視しがちになります。私自身もこの油断で高校入試の国語は、一番点数の低い科目でした。国語さえできていればと思っても勉強量が少なければ、望み通りの結果はできません。定期テストの勉強とは、異なる準備が必要となります。学校の定期テストでは、習った問題から出題されるため、基本的に学校のワークをはじめ、類似の問題がたくさんあります。学校のノートと学校のワークをベースに勉強をしてもらえば、点数は取れるのですが、入試の本番は見たことのない文章が題材になります。そのため、教科書で取り扱っていない問題を解くのがよいです。学力テストの復習をすることと、過去問に取り組んでいくと良いと思います。
私が教えて受験直前にすごく伸びた生徒は、学力テストの平均が170点の生徒が入試本番で230点代の点数を取り、100点前後の生徒は、入試本番で190点になった生徒がいます。二人に共通していたのは、現状を打破する「意欲」があったということです。そのため、やるべき課題を忠実にこなしてくれたことが大きな要因です。「何とかしたい」という思いは、生徒の「やる気」につながります。その思いがあれば、短期間でも実力をつけることはできます。学力テストが終わった段階で、いずれの生徒も引き受けましたが、最後まであきらめないで取り組むことが必要です。
学力テストが終わって結果が伴わなくても落ち込むことはありません。残りの3か月間をどのように過ごすかということが非常に大切だと思いますので、悔いのない受験勉強をしていきましょう。